オンライン英会話スクールでの人気メソッドの一つに、テキストをベースに、講師が質問をして、受講生が答えを即座に繰り返すという形式のものがあります。
間違えると完璧に答えられるようになるまで、何度も質問が繰り返され、次に進むことができません。
即座に答えなければならないので、確かにとてもいいトレーニングになります。
私が言っている、「意見や感想を即座に言えるようになる練習」とある部分で通じるものがあります。
ただし、効果を生むためには、そのための前提条件があります。
答えはテキストに書いてありますので、講師によっては、テキスト通りの答えでないと、許容してくれません。
そこで多くの受講生はテキストを事前に読み、暗記してレッスンに臨みます。
これでは、「多くのフレーズを憶える手法」と何ら変わりはありません。
答えられないでいると、すぐに正解を言ってしまう講師がいます。
講師によっては、スクリプトをSkype(スカイプ)のチャット画面にコピペしてくれたりします。
まったくもって、何をしているのか理解に苦しみます。
最終ステージを完了したけれども、やはりしゃべれないという方に出会うこともよくあります。
間違った取り組み方をしているからそうなってしまうのです。
この手法で英会話をマスターしたいのであれば、事前の予習は、一切してはいけません。
そして、自分の頭で文を捻り出し、答えるトレーニングをしなければなりません。
テキスト通りの答えである必要など、どこにもありません。
だいたいが、テキストに出てくる質問や解答は、欧米文化に沿った、偏ったものが多いです。
日本人らしい答えは、違うものであったりします。
講師側も、受講生が考えている間は、待ってくれないといけません。
安易に答えを言ってしまったら、何の練習にもなりません。
それでは一所懸命に集中して問題を解いているのに、すぐに答えを教えてしまう家庭教師と同じです。
教師は、答えを教えるのではなく、問題の解き方を教えるものです。
よくある例え話で、「よく釣れる猟場を教える」のと、「釣る技術を教える」のは、どちらが本人のためになるかというのとまったく同じことが当てはまると思います。
受講生に「オリジナルの答えを考えさえ、絶妙なタイミングで助け舟を出す」、そのような講師に当たらない限りは効果は出にくいのです。