世間では赤ちゃんの例がよく出されます。
言語を憶えるには「徹底的なインプットが必要」だと。
もっともらしい理屈です。
もちろん、私もインプットは重要だと思います。
でもそれは、意味の分からない言葉をやたらインプットするということではありません。
インプットが大事だからと言って、またあるいは発音が大切だからと言って、たとえば、赤ちゃんにNHKニュースを延々と毎日聴かせて、それだけで赤ちゃんが、ある日突然、きれいな日本語を話し出すと思いますか?
英語をシャワーのように聴く教材は、まさにそれと同じことをさせようとしている訳です。
残念ですが、そのようなことは100%起こり得ません。
歌が音痴の方(失礼!)は、たとえ何万曲好きな音楽を聴いたとしても、歌うトレーニングをしなければ音痴のままです。
シャワーを浴びるように音楽を聴いたからといって、ある日突然オペラ歌手のように歌い出すなんてことはあり得ないのです。
言語習得に関して、決して忘れてはならないのは、
「お母さんの存在」です。
お母さん(場合によっては、お父さんや親代わりの大人)が、赤ちゃんのレベル(あるいは成長していく子どものレベル)に応じて、理解できるレベルの言葉を使って、かみ砕いて話しかけ、そしてさらには、子どもの話をよく聴き、きちんと反応してあげ、うまく表現できたら、褒めてあげる・・・その繰り返しが上達を生み出すのです。
つまり、お母さんあるいはそれに変わる存在が言語習得には不可欠だということが言えます。