そもそも、アナウンサーが話す音声が最良の教材なのでしょうか?
実際には人それぞれ発音の癖があります。
英語では、日本語にはない特徴で、「リエゾン」(「リンキング」とも言います)と言いまして、語尾と次の語の頭がくっつきます。
このリエゾンの仕方も人それぞれですし、加えて、それ以外の「発音の癖」もあります。
10人いれば10通りあります。
これは、実際の会話の中で、聴きながらつかんでいくしかないと思います。
一例を挙げますと、Get it out は実際には「ゲリラ」のようにしか聞こえないと思います。
と言うよりも、
そもそも、そのようにしか発音していない
ので、そのように聞こえて当たり前なのです。
これを何万回繰り返して聴いたところで、「ゲリラ」が突然、「ゲットイットアウト」に変化するはずがありません。
1単語にしか聞こえようがないのです。
変わったとすれば、それは、
オカルト現象か、耳の治療が必要 です。
一方で、文法をいくら勉強したとしても、文法上は「ゲットイットアウト」が正解ですので、「ゲリラ」を理解することは不可能です。
しかしながら、会話の中であれば聞き返すことができます。
そして、聞き返すことによって、その時点で初めてget it out のことだと理解することもできるのです。
要するに、会話の練習を重ねていけば、少しずつ理解できるレベルが上がり、それに伴い、リスニングのレベルも上がってくるということになります。
このことから、リスニングにしても、文法の勉強にしても、どちらかを集中的に取り組んだからといって、カバーできる類いのものではないということが言えるのです。
とくにアメリカ英語では、このようなリエゾンが、「出まくり状態」であることが普通です。
慣れないとまったく区切りが分かりません。
話すスピード自体も英語圏の中では最速です。
そして、語尾のk, t, d, p, g などは、発音されません。
発音が小さいというよりも、まったく発音されないことも結構多いのです。
ほんのミリ秒、隙間が空くのですが、普通の日本人には、まず聞き取れません。
よって、単語によっては、普通の日本人には、現在形、過去形、過去分詞の区別すらつきません。
前後の文意で判断するのがやっとです。
したがいまして、しっかりと会話の経験を積んでいくことが重要であると考えるわけです。