それから少し経ち、47歳のときに、25年間勤めた会社を退職し、独立することになりました。
事業の関係で、海外がらみの話もちらほらと出始め、これはやはり再々(々々・・・)チャレンジしなければならないと思い始めました。
しばらく英語からは遠ざかっていたのですが、リベンジしなければ、という気持ちが大きくもたげてきました。
そんなときです、オンライン&マンツーマンの英会話という新しい英会話レッスンの形態が世に出始めたのは。
しばらくは傍観していましたが、とにかくすごく興味を覚えました。
ただ、すでに50歳を過ぎ、記憶力、集中力とも大きく衰えてきていることを実感していましたので、正直ためらう気持ちもありました。
そこで、自分なりに今までの失敗を踏まえていくつか仮説を作ってみました。
今までの経験で、「無効なもの」はすでに把握しています。
では、私にとって何が本当に有効なのか・・・?
消去法で考えていき、残ったのは、
「自分の『耳』で相手の生の声を直接聴き、自分の『頭』で考えて、自分の『口』で話す」
ということでした。
人間として当たり前の、日本語では毎日行っている一連の動作を、最初の時点からそのときまで、まったく経験していないことに気づいたのです。
そして、これは
日本の英語教育で決定的に欠けていること
でもあります。
日本の教育制度は、大学までの受験教育がベースとしてあります。
つまり、常に試験で「点」をつけて優劣を判定しなければならない宿命にあるわけです。
日本中のどの教師も、統一された「同じ基準」で「英会話力」を判定することができないという事実があるわけですから、考えてみれば当たり前のことになりますが、英会話力という要素は、英語教育の中から弾き出されてしまうわけです。
TOEFLのスピーキングテストをベースに算定された日本人の英会話力の点数は、調査対象となった世界161ヶ国の中で最下位という大変不名誉な成績となっています。
言い換えれば、日本人は「世界一英語を話すことがヘタな人種」であるということができます。