(5) 「形式知」と「暗黙知」について その2

車の運転もそうです。

私はその昔、自動車部に所属しておりましたので、いまだにマニュアル・トランスミッションの車に乗っています。

マニュアル車の運転経験のある方ならお分かりいただけると思いますが、通常、運転中にシフト操作のことは一切意識しません。

文章で書くなら、「左足でクラッチを踏み、ギアをローに入れて、半クラッチにして発進、動き出したら左足をクラッチから離す。時速30Kmくらいになったら、再びクラッチを踏み、シフトをセカンドにチェンジして、半クラッチ気味に左足をクラッチから離す。時速40Kmくらいになったら、再度クラッチを踏み・・・」というような感じになりますが、時速何キロか、メーターを注視しながら操作したり、忘れないように左足でクラッチを踏んだり、といったようなことはしません。

トップギアに入るまで、体感スピードに応じて、まったく左手も左足も意識することなく、操作・運転しています。

この、 無意識状態でできる領域

こそが、「暗黙知」の領域なのです。

「暗黙知」はどんな領域にも存在します。

それは「経験」を積むことでしか決して得ることができないものなのです。

英会話で言えば、語彙や文法が形式知になります。

構文やテンプレートを憶えることも形式知を得ることです。

学校の授業やテストで出題されるものはすべて形式知の部分です。

しかし、それ以外の部分、会話に必要なスキル・ノウハウはすべて暗黙知の領域です。

これを、一人机に座ったままで体得することは不可能なのです。

音楽理論を頭に詰め込んで、何度も音楽を聴いて、譜面を見ても、経験のない人がピアノを弾けるようにはならないのと同じです。

ゴルフ、テニス、スキー、スノボー、野球、サッカー・・・書店に行けばさまざまなノウハウ本が売られています。

ですが、それらを練習せずに読んだとして、上達するでしょうか?あるいは、試合に勝てるようになるでしょうか?

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