8. その他
フィリピン人の訛りは大丈夫なの?ピュアなアメリカ英語が話せるようになりたいんだけど。
アメリカ英語の場合は、単語と単語が恐ろしくリエゾンします。慣れないとまったく区切りが分かりません。
話すスピード自体も英語圏の中で最速です。
そして、語尾のk, t, d, p, g などは、まったく発音されません。発音が小さいのではなく、まったく発音されないのです。ほんのミリ秒、隙間が空くのですが、普通の日本人には、まず聞き取れません。
よって、普通の日本人には、現在形、過去形、過去分詞の区別すらつきません。前後の文意で判断するのがやっとです。これはとても集中力が要ります。
アメリカ英語を学ぶのであれば、アメリカ英語だけの環境で何か月も過ごさないと、なかなか慣れるのは難しいです。
一方、フィリピンでは、フィリピン語(タガログ語)が第一公用語です。家庭ではこのフィリピン語または、地方の言語(9種類くらいあります)を話します。
中学校から授業はすべて英語になります。英語は第二公用語であり、家庭で使われている訳ではないので、基本的に訛る「機会」がありません。
したがいまして、シンガポール、カナダ、オーストラリアなどの英語を第一言語にしている国に比べると訛りや方言が少ないです。
アメリカンと比べると、語尾がはっきりと、またゆっくりと発せられますので、日本人には理解しやすいと思います。
最終目標をアメリカ英語の習得に置いたとしても、フィリピン英語を一つのステップとして、考えていただければ、無駄なことにはなりません。
また、たとえば、大阪で生まれ育ち、普段は大阪弁しかしゃべらない人は、外国人相手の日本語教師になれないのでしょうか? 標準語を話す日本語教師よりも格下の扱いになるのでしょうか?
そんなことありませんよね?
やっぱり、フィリピン英語が世界に通用するかどうか気になります。
ピュアなアメリカ英語がお望みですか?
では、世界で英語圏人口がいくらあるかご存知ですか?
ーーー およそ18億人強と考えられます。
断定できないのは、統計が古いからです。
1993年のケンブリッジ大学出版局のデータでは17.5億人となっています。
日本は例外として、世界の人口は、どんどんと膨張しています。
なので、少なくとも、18億人は超えていると推量されます。
一方、米国の人口は、2010年4月 米国国勢局データで3億875万人です。
2010年国税調査では、そのうち、家庭でも英語を使用するのは、82.1%です。
さらに、訛りが強いとされるヒスパニック系が全体の16.3%を占め、
南部の訛りの強い地域(東部、北部にもあります)の人口を除くと、皆さんのイメージされている
アメリカ英語を話す人口は、おそらく半分以下、多くて1億5千万人と思われます。
その仮定のもとで、アメリカ英語の英語圏全体に対する割合を求めると、8.3%ということになります。
つまり、それだけマイノリティだということです。
英語を学ぶ目的は何でしょう?
話しているときのカッコよさや美しさでしょうか?
英語はたんなる道具に過ぎない、そうは思いませんか?